No1510 鶴裳素

伝統中国春蘭
03 /03 2016
結構好きな素心花のひとつです。少し調べてみました。
 鶴裳素1   鶴裳素2

鶴裳素と和尚素
小原栄次郎氏の「蘭華譜」昭和12年(1937年)によると
新素心(桃腮素)
「昭和九年山採り品より出でたる新素心にて、葉長一尺あまり、花色は淡翠緑冴えたる、一二分の落肩なれども、花茎細高七鉢寸に伸びる、花の直径二寸五六分もある大花にして、白舌、一見純素に違いないが、隠れたる舌弁の両腮に極淡紫紅の色あるため、「桃腮素」とするもので北?真、萩森氏のものは毎年よく咲き春蘭会に出品されるは周知のところである。鎌倉の羽鳥氏にも、昭和十一年出山のものを京華堂より春蘭会にて入手せられたるものに之と彷彿たる品あり、翁は「月佩素」に似ていると喜ばれ「鶴裳素」と命名、愛倍されており東京京橋の穂積氏にも同種のものあり。
新素心は毎年山採品より相当にに多く出て次頁の酒泉素は七八種培養され、他にもかなり多く分布されて居り純白舌無点のものも多く誠に興味深きものである。」とあります。

和尚素
数年前渡来の新種素心、「寅谷素」に似たる翠色白舌の?花なり。品少なく、藪氏の培養に過ぎず。

原本を持っていませんので「豆丁網」のものを拝見させてもらいました。不鮮明なため読めない字があり間違いがあるかもしれません。

中国ではどのように扱っているのでしょう。
百度百科などによると
和尚素
 「清代嘉慶年間(1796-1816 年)、杭州霊隠寺の空化が托鉢の途中で杭州五雲山を通りかかった折、素心の荷弁春蘭を見つけた。よって和尚素、または和尚素荷と呼ばれる。民国期間に日本にもたらされた。」 とあります。

 また http://tieba.baidu.com/p/4101877685 など多くのサイトで和尚素と鶴裳素は同じであるとか、「鶴裳素」またの名和尚素 として説明したり、オークションに出品しているのをよく見かけます。「蘭華譜」によるとこれは明らかに間違いです。
もちろん、和尚素は純素心で鶴裳素は桃腮素なので別物だと説明しているサイトもあります。

 ではなぜこんなに混乱しているのでしょうか?
それはたぶん発音(ピンイン)のせいではないかと思います。和尚素 he2 shang su4、鶴裳素 he4 shang su4 とheの声調は違うもののピンインは同じです。
このため間違いが起こったのではと想像します。

以前 No 1058 中国オークション関公 で「出品者がこの花を購入した時、光宮(guang gong)を中国人なら誰でも知っている関公(guan gong) 関羽 と間違えたのではないかと思います。発音がよく似ていますから。」と紹介しました。

 ピンインが制定されたのは1955年以降のことですから「鶴裳素」の命名者羽鳥氏はまさかこんなことが起こるとは思いもよらなかっただろうなあなどと想像しています。
あれこれ想像するのも楽しみの一つですから。。

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